【コラム/相続】相続登記の義務化について

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こんにちは!相続担当の田中です。

朝晩が冷え込む季節となってきましたね。
我が家では週2回はお鍋を食べて体を温めております。
スーパーでもお鍋の出汁のラインナップが増えて、選ぶのが楽しいですね!

さて、2回目となる今回は「相続登記の義務化」についてお届け致します。

なぜ相続登記が義務化されるのか

相続のお手続きでお客様とお会いする中で、「相続登記が義務化されるんでしょう?」とご質問を頂くことも増えてきまして、世の中に浸透してきたことを我々も実感しております。

ニュースでも、所有者がわからない倒壊の恐れのある建物を市が代わりに解体したといったお話を耳にすることが増えてきました。

こういった「所有者不明土地・建物」の解消に向けて、国は法整備を進めており、その中の一つが「相続登記の義務化」です。

2017年12月に公表された所有者不明土地問題研究会(一般財団法人国土計画協会)の最終報告では、「2016年時点の所有者不明土地面積は約410万haあり、九州の土地面積(約367万ha)以上」との報告がされました。

所有者不明土地の問題点としては、所有者と連絡が取れないことにより、公共事業や災害時の復旧の妨げの原因となることや、管理の問題で近隣住民とトラブルとなることが挙げられます。

なぜ、所有者不明の土地が増え続けているのでしょうか?

大きな要因は、相続が発生した際に「相続登記」が適切になされないことにあります。

相続登記とは、土地や建物の所有者が亡くなった場合に、その土地や建物の名義を亡くなった方から遺産を引き継いだ方(相続人)へ変更する手続のことです。

都市部への人口移動や人口減少、高齢化の進展等により、地方を中心に土地の所有意識が希薄化したことと共に、土地を利用したいというニーズも低下したことで、相続登記がなされないままとなっている土地が増加しました。
そういった相続登記がなされていない土地が増加することにより、所有者不明の土地が増え続けているのです。

相続登記がなされないまま相続が繰り返されると、土地の共有者がねずみ算式に増加していき、いざ相続登記をしようとしても遺産分割のとりまとめに数年もの歳月を要することもあります。
そうなると、思ったタイミングで不動産が売却できない等のリスクにつながる可能性も考えられます。

このような現状を踏まえ、国は、所有者不明土地の発生予防のために「相続登記の義務化」を決定しました。

相続登記の義務化の主な内容

相続登記の義務化の主な内容は、次のとおりです。

  • 相続の開始及び土地の所有権を取得したことを知ったときから3年以内に不動産の名義変更を行うことを義務化
  • 怠ると10万以下の過料の対象となる
  • 過去の相続にも遡って適用される

上記内容の改正が令和6年4月1日に施行されます。

我々も相続のお手続きを行う中で、いざ不動産を手放したいと思った時には相続人が20人、30人と増えてしまって大変苦労されているケースを数多く見てきました。

相続人がこれだけの人数になると、顔も名前も知らないという方がいらっしゃるものです。

そのような場合は、「あなたは〇〇さんの相続人ですので手続きに協力してください」といった内容のお手紙をお送りするところから始めていきます。
お手紙が返ってこなかったり、遺産の取り分を主張されたりすると、弁護士に間に入ってもらって手続きを進めることもあります。

いずれにせよ、大変な労力を要するお手続きになりますので、我々司法書士事務所としては、いち早く相続登記の義務化が浸透し、お手続きで苦労される方が減ることを祈るばかりです。

相続土地国庫帰属制度について

「義務化されることは分かったけれど、田舎の土地を相続しても使い道に困るのだけれど…」と思われる方もいらっしゃるかと思います。

国は、そのようなケースに備えた法整備も進めています。

その一つに「相続土地国庫帰属制度」の新設が挙げられます。

この制度は、相続等により土地の所有権を取得した者が、法務大臣の承認を受けて、その土地の所有権を国庫に帰属させることができる制度で、令和5年4月27日に施行されます。

「不要な土地を国が引き取ってくれるなんて、夢のような制度…!」と初めてこの制度を知った時は思ったのですが、実は色々と制限もあります。

まずは、下記の土地に該当しないことが条件です。

  • 建物や通常の管理又は処分を阻害する工作等がある土地
  • 土壌汚染や埋蔵物がある土地
  • 崖がある土地
  • 権利関係に争いがある土地
  • 担保権等が設定されている土地
  • 通路など他人によって使用される土地

例えば、建物が建っている土地で隣地との境界が曖昧な場合は、建物を解体して、隣地との境界を明確にした上でないとこの制度は利用できないことになります。

上記条件に加え、審査手数料の他、10年分の土地管理費相当額の負担金を納める必要もあります。
負担金は、原野で20万円程、200㎡程の宅地で80万円程が想定されているようです。

この制度を利用するべきなのか、売却等他の方法を検討できるのか、慎重に考えていかないといけないですね。

実際にどのような不動産が引き取られていくのか等、我々も注視していきますので、またこちらのコラムでも発信できればと思います。

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